ハナイ コウ
Hanai Kou
花井 豪 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 講師 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 糖尿病性腎症患者の腎性貧血に対する遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤の開始時期に関する臨床研究 |
掲載誌名 | 正式名:東京女子医科大学雑誌 ISSNコード:0040-9022 |
巻・号・頁 | 81(臨増),E206-E213頁 |
著者・共著者 | 鈴木久美, 馬場園哲也, 花井豪, 岩本安彦 |
発行年月 | 2011/03 |
概要 | 貧血が糖尿病性腎症の進展に対する危険因子であることが知られているが、腎症患者における遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤(以下rHuEPO)の至適開始時期に関しては不明である.本研究は、糖尿病性腎症患者におけるエポエチンベータ開始時のヘモグロビン値と腎症進展との関連を明らかにすることを目的とした.2003年7月から2008年6月までの期間に当科で腎性貧血に対してエポエチンベータを開始した保存期糖尿病性腎症患者のうち、開始時の推算糸球体濾過量が10mL/min/1.73m2以上であり、かつヘモグロビン値が10.0g/dL未満であった285名を対象とした.性別は女性82名、男性203名、年齢は62±14歳(平均値±標準偏差)であった.エポエチンベータ開始時のヘモグロビン値により、8.0g/dL未満39名、8.0~8.9g/dL 97名、および9.0g/dL以上149名の3群に分類した.透析導入、eGFR 6.0mL/min/1.73m2未満へ低下、あるいは死亡のいずれかをエンドポイントとし、開始時のヘモグロビン値とこれら複合エンドポイントとの関連をKaplan-Meier法による生存解析およびCox比例ハザードモデルを用いて検討した.男性においてのみ、エポエチンベータ開始時のヘモグロビン値が8.0g/dL未満の患者で複合腎エンドポイントへの進展が有意に高率であった.Cox比例ハザードモデルによって、腎症進展に対するその他の危険因子で調節しても、その有意性が維持された.女性では、開始時のヘモグロビン値と腎症進展との間に有意な関連は認められなかった.エポエチンベータ開始時のヘモグロビン値と腎症進展との関連は、男性糖尿病患者においてのみ観察された.糖尿病性腎症患者におけるrHuEPO開始基準の設定には、より多数例での検討が必要と考えられた.(著者抄録) |
文献番号 | 2011211761 |