トミザワ ヤスコ   TOMIZAWA Yasuko
  冨澤 康子
   所属   その他 その他
   職種   非常勤嘱託
言語種別 日本語
発表タイトル サージカルスモークが手術室勤務者に与える健康被害に関する調査
会議名 第119回日本外科学会定期学術集会
主催者 日本外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎大越香江, 木下浩一, 松本久子, 森島敏隆, 冨澤康子, 萬谷京子, 永井美江, 石川明子, 増田純一
発表年月日 2019/04/19
開催地
(都市, 国名)
大阪府大阪市
概要 *ポスターセッション(114)労働環境・診療報酬

【背景と目的】サージカルスモークとは生体組織を電気メスや超音波凝固切開装置、レーザーで焼灼・凝固・切開する際に発生する煙であり、種々の健康被害を引き起こす可能性がある。米国周術期看護師協会 (AORN) は術中排煙装置を使用するよう警告を出しており、海外では手術室の排煙装置導入が進んでいる。しかし、本邦においては排煙装置が十分に普及していない。長時間サージカルスモークに曝露される手術室スタッフの健康被害に関しては調査が不十分であるため、本研究によってそれらを明らかにする。【対象】 2 つの関連病院の手術室に勤務する医師および看護師。【方法】 2018 年 7 月に質問紙を配布し、回収した。【結果】 103 名の回答を得た(回収率 93.6%)。男性 42 名 (40.8%)、女性 61 名 (59.2%)。回答者の職種は医師 53 名 (51.5%)、看護師 50 名 (48.5%)。医師の診療科は、外科 32.1 %、麻酔科医 30.2%、耳鼻科 9.4 %、整形外科 7.5 %、産婦人科 7.5 %、泌尿器科 3.8 %、皮膚科 3.8 %などであった。喫煙者は 2 名 (1.9%)。9 名 (8.7%) が手術室において咳が悪化、15 名 (14.6%) が手術室で勤務するようになってから咳が増えた。現在喘息と診断されているのは 6 名 (5.8%) で、うち 2 名がサージカルスモークによって咳が悪化。喘息以外のアレルギー疾患(鼻炎・結膜炎・皮膚炎など)と診断されているスタッフは 46 名 (44.7%) で、うち 4 名は手術室において悪化する。53 名 (51.5%) がサージカルスモークは健康に悪いと考えていたが、専用の排煙装置があることを知っていたのは 42 名 (40.8%) であった。63 名 (61.2%) が排煙装置の導入を希望していた。【考察】サージカルスモークによって手術室勤務者の咳などの症状が悪化する可能性が示唆された。手術室勤務者はサージカルスモークに長時間曝露されるため、健康管理という観点から排煙装置は重要であり、今後さらに広く調査を行いたいと考えている。