ハギワラ ノブヒサ   Nobuhisa Hagiwara
  萩原 誠久
   所属   その他 その他
   職種   非常勤嘱託
言語種別 日本語
発表タイトル 抗酸菌による繰り返すペースメーカ感染の加療中に血小板減少症を併発した1例
会議名 第355回東京女子医科大学学会例会
主催者 東京女子医科大学
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎大川拓也, 菊池規子, 庄田守男, 谷野紗恵, 鈴木敦, 芹澤直紀, 志賀剛, 萩原誠久, 齋藤聡, 山崎健二, 菊池賢, 篠原明仁, 田中淳司
発表年月日 2017/02/25
開催地
(都市, 国名)
東京女子医科大学
概要 症例は78歳男性。2003年10月(65歳)、完全房室ブロックに対して恒久的ペースメーカ植え込み術を施行した。これまで2004年7月、9月、2007年1月、6月にペースメーカポケット感染を併発し、姑息的手術を施行した。2007年の術中抗酸菌培養よりMycobacterium chelonaeが検出され、クラリスロマイシンの長期内服を行った。しかし、2016年7月にポケット感染が再燃した。血液培養は陰性だった。とくに症状はなかったが、術前精査中に突然血小板数が2.3万/μlまで低下し、その後4千/μlまで低下し、特発性血小板減少症(ITP)の診断に至った。約1ヵ月のステロイド治療を行い、血小板数が10万/μl以上になった時点で、開胸・開心下ペースメーカ全抜去術を行った。術中の創部培養、ペースメーカリードから多剤耐性のMycobacterium chelonaeが検出された。術後はステロイドを中止したが、血小板数は10万/μl以上で経過した。現在、デバイス関連感染症においてはシステム全抜去が推奨されており、姑息的手術では炎症源を残すため、本症例のようにITPなどの全身炎症性疾患の原因となる可能性があると考えられる。ペースメーカ感染の起炎菌として抗酸菌は珍しく、ITPを併発した報告はこれまでないため、今回症例を提示する。