ナガシマ ヨウジ   Nagashima, Yoji
  長嶋 洋治
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
言語種別 日本語
発表タイトル 当院で経験されたBirt-Hogg-Dube症候群の検討
会議名 日本泌尿器科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者新堀萌香、蓮見壽史、笠原亮、川畑さゆき、逢坂公人、槙山和秀、近藤慶一、中井川昇、馬場理也、古屋充子、長嶋洋治、中谷行雄、矢尾正祐
発表年月日 2015/04/23
開催地
(都市, 国名)
仙台市
概要 (目的)本邦における転移性乳頭状腎細胞癌(mPRCC)の治療成績について検討した。(方法)研究参加施設でPRCCと診断された有転移症例(2000-2013年)を対象とした。病理プレパラートを中央病理(泌尿器腫瘍を専門とする病理医3名)において再評価した。PRCCと診断された症例について臨床病理学的因子、治療法と治療効果、予後を検討した。(結果)PRCC 51症例(type 1: 3例、type 2: 39例、type判定なし: 9例)が登録された。48例の組織が中央病理で再検討され、35例がPRCC (type 1: 2例、type 2: 32例、type 1 or solid variant: 1例)と確定診断された。13例は他組織型に再分類された(粘液管状紡錘細胞癌: 5例、Xp11.2転座型: 3例、集合管癌 2例、分類不能型: 3例)。PRCC 35例は男性31例、女性4例、平均年齢 57.1歳(転移出現時)、平均腫瘍径 8.9cmで、肉腫様変化を9例に認めた。MSKCCリスク分類はfavorable 5例、intermediate 22例、poor 8例であった。25例に分子標的治療(MTT)が施行され19例(76%)に、何らかの分子標的薬でSD以上の効果を認めた。転移巣に対し何らかの治療介入を行った33例のOS中央値は22.4ヶ月であった。MTT施行投与群のOS中央値(22.5ヶ月)は未投与群(5.6ヶ月)と比較し有意に良好であった(p=0.0043)。またMTTでSD以上の効果を一過性含め認めた症例のOS中央値は34.5ヶ月であった。Sunitinibのfirst-line settingでのdisease-control rate (DCR)は75% (CR 1例、PR 1例、SD 4例、PD 2例)であり、second-lineのDCRは62.5%であった。Sorafenibでは投与症例全体のDCRは50%であったが10例中2例にdurable SD (20、24ヶ月)を認めた。AxitinibのDCRは50%、durable SDを2例 (14、14ヶ月継続中)認めた。Temsirolimus(DCR: 54.5%)とeverolimus (DCR: 50%)も少数ながら8ヶ月以上のSD症例が存在した。(結語)MTTの導入と維持投与により、mPRCC症例の予後は改善された可能性がある。