オオツボ テンペイ   Tempei Otsubo
  大坪 天平
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
招待の有無 招待あり
表題 統合失調症激越状態に対するrisperidone、olanzapine、quetiapine単回使用の効果
掲載誌名 正式名:臨床精神薬理
ISSNコード:13433474
掲載区分国内
出版社 (株)星和書店
巻・号・頁 13(5),957-966頁
著者・共著者 吉村 直記, 大坪 天平, 熊田 貴之, 鳥谷 玲奈, 佐野 奈々, 渡邉 壮一郎, 橋本 淳子, 三村 將, 加藤 進昌
発行年月 2010/05
概要 統合失調症急性期治療において、新規抗精神病薬は従来型抗精神病薬と比較して、効果は劣らず有害事象は少ないというエビデンスは多数あるにもかかわらず、未だに従来型抗精神病薬が使われる傾向にある。さらに、新規抗精神病薬同士の有用性を比較した試験は少ない。今回我々は、臨床で汎用されている新規抗精神病薬3剤(risperidone液剤2mg、olanzapine口腔内崩壊錠5mg、quetiapine錠剤200mg)を用いて、統合失調症激越状態に対する単回投与で、2時間以内の短時間のうちにどの程度鎮静効果が得られるかを比較検討した。その結果、3剤とも経時的に激越状態が改善する傾向を認めたが、特にrisperidone、quetiapineにおいて60分後、120分後に有意な改善を認めた。3群間比較では、120分後にquetiapineがolanzapineと比較してより強い鎮静効果を認めた。また、睡眠を伴う鎮静は全体の5.9%に認めたのみであった。他の重篤な有害事象は認められなかった。この結果、統合失調症激越状態の治療において、risperidone液剤2mgとquetiapine錠剤200mgは、有効で安全であるといえた。Olanzapine口腔内崩壊錠5mgは、激越状態の急速な改善に関しては用量不足の可能性が示唆されたが、安全性においては問題なかった。(著者抄録)
文献番号 2010174983