オオツボ テンペイ   Tempei Otsubo
  大坪 天平
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   教授
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 【うつ病診療の論理と倫理】うつ病治療の論理、実践、展望 日常診療におけるうつ病 総合病院から本物のうつ病を再考する
掲載誌名 正式名:精神医学の基盤
ISSNコード:21889546
掲載区分国内
出版社 (株)学樹書院
巻・号・頁 1(2),123-131頁
著者・共著者 大坪 天平
発行年月 2015/07
概要 厚生労働省の患者調査によれば,2000年前後を境にして,全国の気分障害推定患者数が40数万人レベルから,100万人レベルへと2倍強に急増し,患者の特徴として軽症化が指摘されている。このことと,次々と発売された選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を中心とする新規抗うつ薬との関連は否定できない。この流れは,製薬メーカーによる疾患啓発活動に各精神科関連学会や医師も自ずと協力してきた結果ともいえる。さらには,非定型うつ病,双極スペクトラム障害概念の広がり,発達障害の併存,現代型うつ病の流行など,様々な概念が混在し広がり,うつ病の中核群が不鮮明になっている。しかし,このような時だからこそ,改めて本物のうつ病について再考する必要があると考えられる。うつ病に関する推論をたてる上で必要なことは,直観的思考であり,その理由づけとなるものは,医学の先人たちが遺した英知である。気分障害,つまりうつ病と双極性障害の起源の主流はやはりKraepelinの躁うつ病にあるといってよい。Kraepelinは約100年前に,躁うつ病の実態は縦断的には周期性・反復性・再発性であり,横断的には混合状態であると指摘した。この偉大な先人の指摘が,現在どのように生かせるのか,DSM-5の特定用語「混合性の特徴を伴う」とBenazziの混合性うつ病の概念を取り入れながら考察する。(著者抄録)
文献番号 2016218627