イチノエ アキマサ   AKIMASA ICHINOE
  一戸 晶元
   所属   医学部 医学科(附属足立医療センター)
   職種   講師
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 多発リンパ節転移を伴う原発不明癌として手術を施行して子宮摘出により子宮頸部扁平上皮癌と診断した1例
掲載誌名 正式名:日本婦人科腫瘍学会雑誌
ISSNコード:13478559
巻・号・頁 35(2),182-189頁
総ページ数 8
著者・共著者 西田眞†, 二尾愛, 赤澤宗俊, 一戸晶元, 遠城幸子, 大石善丈
発行年月 2017/04
概要 症例は53歳の女性で左下肢浮腫を主訴として受診した。子宮腟部は肉眼的に正常で子宮腟部擦過細胞診はNILMであった。骨盤内に多発リンパ節腫大を認め、穿刺細胞診で扁平上皮癌が疑われた。原発不明癌として試験開腹手術を施行した。子宮と両側付属器は正常外観で骨盤・傍大動脈リンパ節の多発腫大を認めたが原発巣は同定できず、単純子宮全摘出術、両側付属器摘出術、骨盤リンパ節生検を施行した。病理組織検査で子宮頸部に大きさ1cm弱の病変を認め、骨盤リンパ節とともに非角化型扁平上皮癌の所見で、免疫組織化学ではp16が陽性であった。以上より原発性子宮頸癌と診断した。鼠径リンパ節と左鎖骨上窩リンパ節にも転移を認め、術後、TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)を行ったが、全身リンパ節転移の増大を認め緩和医療に移行した。転移巣が先に診断され治療前の検査で原発巣が同定できない癌は原発不明癌と定義され、本症例も原発不明癌と考えられる。原発不明癌の予後は一般的に極めて不良であるが、免疫組織化学や遺伝子発現プロファイリングにより原発巣を同定する診断技術は向上しており、治療の個別化や治療薬の開発による予後改善が期待される。