マサムネ ケン   MASAMUNE Ken
  正宗 賢
   所属   研究施設 研究施設
   職種   教授
論文種別 総説
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 医療機器の製造販売後データ収集関連規制の日米欧比較及び使用成績評価制度に関する調査研究
掲載誌名 正式名:医療機器産業研究所 リサーチペーパー
略  称:MDSI RP
掲載区分国内
出版社 公益財団法人医療機器センター 医療機器産業研究所
巻・号・頁 (38),1-93頁
総ページ数 93
著者・共著者 近藤英幸†, 正宗賢
発行年月 2023/03/31
概要 公益財団法人医療機器センター附属医療機器産業研究所 リサーチペーパー No.38 (エグゼクティブサマリー)
医療機器の適性使用、安全対策にあたって医療機器の製造販売後のデータ収集は重要である。日本では、2014年の薬事法から医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)への移行等により関連規制が変化してきている。欧州連合では、Regulation (EU) 2017/745 on medical devices(MDR)(欧州医療機器規則)、Regulation (EU) 2017/746 on in vitro diagnostic medical devices(IVDR)(欧州体外診断用医療機器規則)の導入が進んでいる。 このように、医療機器を取り巻く技術、環境の変化に応じて、関連規制の変更が行われている。 そこで、本調査研究は、日米欧(英)における医療機器の製造販売後のデータ収集に関する最新の規制の調査、日本の使用成績評価制度及び米国のPost-Approval Studies (PAS)制度の実績調査を行うとともに、関連規制の運用状況について関係者にインタビューを行い、製造販売後のデータ収集に関するさらなる施策、国際整合の議論に資することを目指した。 その結果、各国/地域において、不具合等の内容に応じて報告の要否及び期限を規定した不具合等報告制度が確立されていること、企業に対して製造販売後の試験の実施を求める制度が導入されていることを確認した。これらの試験を要求する制度は、運用に違いが生じている/今後生じる可能性があると考える。また、欧州連合のみ、医療機器のクラスに応じたPeriodic Safety Update Report(定期安全性最新報告書)(PSUR)を求める仕組みが規定されていることに留意が必要である。 そして、使用成績評価制度は、導入の趣旨に沿った運用がされていることが示された。ただし、使用成績評価において、全例調査が不可欠と考えられる判断基準を明確にすることは、引き続きの課題と考える。また、米国のPAS制度の実績確認により、2015年以降、非臨床試験が求められたことはなく、日本の使用成績評価でのデータ収集と同様のやり方が主流となっていることを確認した。一方で、PASでは無作為化試験やレジストリを活用する試験も存在しており、使用成績評価でも試験目的に応じた試験デザイン、データソースの選択を広げていく可能性は考慮すべきである。